「〇〇〇〇になる君に」
測定端子がふれたら
ポツンと落ちてしまった
椿の花みたいに
おそらく観念したんだね
君はいつもの様に
電話に僕を呼びだし
僕を笑わせた後で
その宣言をしたのだった
測定器を作るのも
まんざらすてたもんじゃないよ
そちらから電話を切ったから
君はもっと他のことも
云おうとしてたんだろう
測定器を作ったら
終わってから初めて気づく
運命みたいに
ぼくにも悲しみが湧いてきた
君はこれからぼくに
気軽に電話をしなくなり
ぼくの退屈さをすくってくれる君は
いなくなったのだ
測定器を作るのも
まんざらすてたもんじゃないよ
とつぜんとても確かになったのは
とり残されたのは
僕だったということなんだ
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